※だらだら書いてたら先にサブスク公開されましたうれしい
Mr.Childrenというバンドは我が国が誇る超大物モンスターバンドである一方で音楽業界の中では割と先進的な取り組みをしておりまして、世間がやれ違法コピーだ違法リッピングだと騒いでCCCDとかいう意図的にエラーコードを加えてPCで読み取れないような滅茶苦茶な独自規格を勧めている最中「このCDをPCに入れると限定特典のPVが見られまーす!ぜひPCに読み込ませてね!」とエイベックスに正面切って喧嘩を売りに行くような「CD EXTRA」なるものを採用したり、CD市場の雲行きが怪しくなり始めた初期(2008年)にDL専売シングルを販売したりとかなりフットワークの軽いバンドです。
2018年のサブスク全曲解禁も非常に喜ばしい取り組みだったのですが、最新アルバム「重力と呼吸」はまぁいつまで経ってもサブスクに登録されずとても残念です。
ということで発売からもう1年以上経ちますが僕が愛するSpotifyには一向に登録されないので少しでも聴きたいという人が増えればいいなと思い今更ながら全曲レビューさせていただきます。
なお、僕はMr.Childrenが大好きですが「好きなものの良いところしか言わないのは何も言っていないに等しい」とどこかで聞いたことがありそのとおりだなと思うので失礼な物言いが散見されるかと思いますがご容赦ください。近年は田原くんのギターフレーズがとてもよいと思いますForeverの2サビメロ裏の単音超すき
では始めます。
1.Your Song
リードトラック。
最近のMr.Childrenの「もう俺たちのやりたいことやってくぜ」感がガンガンに出ているエモい曲。
おーーおーーー!
アルバム情報解禁の0:00まで待ってこの曲を初聴したときは「あぁ…次はこっち系か、そうだよね…」と最近の傾向から理解はできるもののあんまり期待はできなかった。
本人たちがとても楽しそうなのはいいんだけどね…悪く浮足立っててふわふわしてて心に残らない感じがちょっと眠い。
酒が入ったライブ終盤だと正直キツい。
なお僕はReflectionもなぜfantasyがリードであるべきと主張して譲りません。
2.海にて、心は裸になりたがる
マ?
イントロとAメロ別の人が考えた?
ブリッジおかしくない?
違う、違うよ…
こんなノリはロッキンで朝イチPARK STAGE張るような世代のバンド、
もう「次で最後の曲です!次はもっとでっかいステージでやってやるからな!ウォー!今日はありがとう!Foo~↑」みたいな若手に任せておけば大丈夫ですから年甲斐もなく無理しちゃダメだよ櫻井さん。
ライブでは割と評判が良い模様。
音源だとサビはともかく、メロがこっ恥ずかしい。
3.SINGLES
どう考えてもこれがリードトラック。
この曲だけで3,000円の価値ある。
つべにあるPVは1番までだからぜひこの曲のためにアルバム買ってほしい。
イントロから格が違う。ドラマ見てないけどドラマで流れてそうな曲だ。
引き込まれるドラムからクッと落としたメロも素敵。
ゴリっとしたベースも非常に存在感があってよいですね。
メロのコーラスワークも流石。心地いい。
サビのコーラスはかなり主張が強いけど、曲名がSINGLEの複数形であることを考えれば味のある演出と取れる。
Mr.Childrenの良曲ってストリングスよりピアノが上手に効いてるイメージで、この曲もしかり。
自分たちのやりたいことを前2曲でやりながら、きちんとドラマ主題歌として相応しいハイクオリティな曲も作ってくるのは流石モンスターバンドの貫禄。
ただ歌詞はちょっと違和感。「僕が僕であるため」って言っちゃう?
でも歴代でもかなりの名曲。もっとメディアで露出してほしい。
4.here comes my love
サビまで長く暗い。
イントロかかると「あーヒアカムか~」と特にテンションも上がらないけど気づくと最後まで聴いてしまう不思議な曲。
リバーブの効いた重いドラムと硬めのベースが一役買ってる。
ギターソロもしっかりあって、弦の音色多いのにバンドサウンドゴリゴリな感じが好印象。
あとラストのサビだけハモリが上になるのがとっても好き。
HEROの最後だけ地声で歌い上げるのと同じくらいすき。
良曲だけにSinglesの直後に置くにはちょっと惜しい。
5.箱庭
Atomic Heart時代を想起させる単調なリズムパターンと「はぁ~あ」ってコーラス、管楽器の音、ボトルネックギターから醸し出される懐かしい雰囲気の曲。
サビ前の3連ブレイクがいい味出してますね。
今作全体的にベースの主張強くない?良いけど。
割と好き。ヒアカムと入れ替えてもいいんじゃないかな。
6.addiction
おっ、何やこのイントロ!
今までにないカッコよさげな曲のニオイプンプンやないか!!!
→おっ、ほーん…
みたいな、初聴時イントロでピークを迎えてる感のある曲。
別にその他がイマイチってわけではないけど、曲の凝り方に対してインパクトは弱い。
リフでテンポが落ちたあと、盛り上がるのが大変。
あと桜井氏にしては珍しく歌詞にあまり魅力がないというか、ちょっと違和感がある。
素直な言葉を使いすぎというか。
これも2サビ前にベースソロがあります。弾くねぇ。
7.day by day(愛犬クルの物語)
この曲メロからこんな歪んでる必要あるかな笑
サビでグロッケン?が鳴るとだいぶまとまりが出てきますね。
ギターのブリッジミュートもベースも歪みが強くて馴染んでないような。
8.秋がくれた切符
比較的短い曲。
タイトルの比喩一本勝負!って感じで上手くまとまっていて流石。
Cメロや転調がないのも潔い。
良い意味で落ち着いたMr.Childrenの魅力がある。
最後の盛り上がり直前の曲としてぴったり。
9.himawari
Mr.Childrenのタイアップ曲!って貫禄。
「優しさの死に化粧」「思い出の角砂糖」とメロの歌詞もキレッキレ。
Cメロ後半のベースラインが秀逸。ギターソロへ綺麗に繋がっていくところで鳥肌が立ちます。
悲しいけどキャッチーなサビは一発で耳に残るくせに、たまに歌詞を意識して聴くと涙が出そうになるくらい切なく展開されていく大作。
その分普段ローテで聴くにはちょっと重いかな。
10.皮膚呼吸
「こめかみ」の読み方を勉強できる名曲。
単体では非常によい曲。ストレスなく聴ける優しいギター、散らばっているピアノも綺麗。
前曲がhimawariなだけに、欲を言えばもう少しさっぱりした曲がほしいところ。
安らげる場所みたいな。
でもアルバムの最後の曲として申し分ないクオリティ。
雑感
待ちに待った3年ぶりのアルバムですが、発売後のファンの評価は割れている様子でした。
まず、曲が少ない。既出曲も多い。
前作がReflectionという初出曲詰め合わせなのでハードルは高いものの、準備期間に対してやや物足りない点は否めないかと。
既出でも こころ、おとぎ話 あたり入れてほしかった。
内容としてはかなりバンドサウンドに寄っていて、ベースの音色なんかは顕著に出てます。
そのために毛色の違う曲もいくつか入っているものの、まだまだ荒削りで違和感も。
そのほか、歌詞について平易なフレーズが耳につく箇所がちらほらあって、この傾向が続くようだとMr.Childrenの大きな魅力が削がれそうでちょっと心配。
とはいえ、Singlesを筆頭に素晴らしい曲があり一度は聴いてみてほしいです。通しで聴くのは合わない人には少ししんどいかも、つまみ食いおすすめ。
「Mr.Children サブスク」で検索するとサジェストに「重力と呼吸」が出てくるのでみんな待ってるんやなーって
はよ(CDは持ってます)